一般不妊治療(タイミング法・人工授精)
ABOUT INFERTILITY
スクリーニング検査の後、より自然に近い形での妊娠を目指す治療のことで、タイミング療法と人工授精(AIH)があります。
タイミング療法
タイミング療法とは、排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に合わせて性交のタイミングを指導する治療です。排卵が近づくと卵胞は徐々に大きくなり、超音波検査で卵胞径を測定することで排卵日を予測します。
さらに、必要に応じてホルモン検査(LH・E2・P4など)を併用し、より正確な排卵時期の把握を行います。
タイミング療法による妊娠率は、対象となるカップルの背景によって異なります。
(欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)などのガイドラインや複数の臨床研究に基づく一般的な数値です。)
• 不妊症カップル
→ 約5〜10%/周期
• 健常カップル(自然妊娠)
→ 約15〜25%/周期
適している方
• 不妊期間が短い
• 検査で大きな異常が見つかっていない
• 排卵が確認されている
• できるだけ自然に近い形で妊娠を希望される方
適応とならない方
• 卵管閉塞や高度の癒着がある方
• 精子の濃度や運動率が低下している方
• 抗精子抗体が陽性の方
• 性交障害がある方
• 不妊期間が長い方
タイミング療法は有効な治療ですが、すべての患者様に適しているわけではありません。当院では卵管因子や男性因子に加えて、年齢や卵巣予備能(AMH)、不妊期間等を総合的に評価し、妊娠の可能性が高い治療を個別にご提案致します。
人工授精(AIH)
人工授精(AIH:Artificial Insemination with Husband’s sperm)とは、採取した精液を洗浄・濃縮し、子宮内に直接注入する治療です。
精子が子宮頸管を通過する過程を補助することで、妊娠の可能性を高めることを目的としています。排卵のタイミングに合わせて行います。
人工授精の妊娠率は、日本産科婦人科医会のデータによると1回あたり約5〜10%前後とされています。年齢によっても妊娠率は異なり、年齢が高くなると妊娠率は低くなります。人工授精は有効な治療法ですが、回数を重ねるごとに妊娠率の上昇は徐々に頭打ちになることが知られています。妊娠の多くは最初の数回で成立することが特徴です。

(日本産婦人科医会のHPより引用)
治療の流れ
① 排卵日の予測
超音波検査やホルモン検査で排卵時期を確認
② 精液採取
当日採取、または持参
③ 精子の調整
運動性の良い精子を選別・濃縮
〈密度勾配法〉

④ 子宮内へ注入
細いカテーテルで子宮内に注入(数分で終了)
人工授精の適応とならない場合
• 卵管が閉塞している
• 精液所見が著しく不良
• 抗精子抗体が強陽性
治療周期は「何回まで続けるか」ではなく、“今の状況で最も妊娠の可能性が高い選択は何か”を重視しています。
”まだ人工授精を続ける価値があるのか”
“体外受精へ進んだ方が良いのか”
これらを、年齢、卵巣予備能(AMH)、精液所見、これまでの治療経過といったデータをもとに、丁寧に判断していきます。
一人で悩まず、ご相談ください。
治療をどこまで続けるか、いつ次に進むかという判断は、とても難しいものです。“納得して次に進むこと”を大切にしています。
今の治療を続けるべきか迷われている方は、どうぞ一度ご相談ください。