ピル外来
MEDICAL SERVICE
ピル外来 (月経移動、緊急避妊を含む)
避妊を目的として用いる薬剤をOC(Oral contraceptive:経口避妊薬)といい、月経困難症や子宮内膜症などの疾患の治療を目的として用いる薬剤をLEP(Low dose estrogen-progestin:低用量エストロゲン-プロゲスチン)といいます。
当院ではどちらも処方可能です。
「ピル」と聞くとその副作用を過剰にご心配される方も多いかと思いますが、OCもLEPも適切な診療のもと、適切に内服すれば、妊娠についてコントロールすることが可能ですし、月経に伴う辛い症状を緩和し、また排卵に伴う体への負担を軽減することもできます。
OC、LEPは様々な種類があります。患者様それぞれの状態、ご希望に沿って処方致します。
自分に合ったピルを見つけよう!!
ピルには「保険適応」と「自費」のものがあります。
どちらも“ホルモンを使ったお薬”ですが、「目的」が違うため、保険が使えるかどうかに差があります。
保険適応のピル(LEP製剤)
何のために使うの?
・月経困難症(生理痛が強い)
・子宮内膜症
・過多月経(出血量が多い)
などの「病気の治療」を目的に使います。
特徴
・医師の診断で処方され、保険が使えます(3割負担)
・妊娠を目的としない時期に、体調管理や月経の負担軽減のために用いられます。
LEP(保険適応ピル)一覧
※表は左右スクロール可能です。
| 分類 | 製品名 | 配合ホルモン | 相性 | 特徴 | 備考 |
| LEP(保険適応) |
![]() ルナベルULD / LD
|
エチニルエストラジオール(EE) + ノルエチステロン(NET) |
一相性 | 月経困難症の治療薬 | ULDはより低用量で副作用軽減が期待される |
| LEP(保険適応) |
![]() フリウェルULD / LD
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EE + NET | 一相性 | ルナベルのジェネリック製品 | 成分・用量は同等で、価格が抑えられる |
| LEP(保険適応) |
![]() ヤーズ
|
EE + ドロスピレノン(DRSP) | 一相性 | 月経困難症・PMSにも効果あり | カリウム保持作用があり高カリウム血症に注意 |
| LEP(保険適応) |
![]() ドロエチ
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EE + DRSP | 一相性 | ヤーズのジェネリック製品 | 同効薬で低価格、同様の注意点あり |
| LEP(保険適応) |
![]() ヤーズフレックス
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EE + DRSP | 一相性 | 連続服用可能なLEP | 最大120日間の連続投与に対応 |
| LEP(保険適応) |
![]() ジェミーナ
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EE + デソゲストレル(DSG) | 一相性 | 子宮内膜症・月経困難症に効果 | 比較的新しいLEP |
| LEP(保険適応) |
![]() アリッサ(Alyssa®)
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エステトロール(E4) + DRSP | 一相性 | 天然型エストロゲンを使用した新世代LEP | 血栓症リスク低減が期待されている。 肝への影響が少ないとされる新しい成分 |
自費のピル(OC:経口避妊薬)
何のために使うの?
・避妊を目的とした使用
特徴
・健康保険の対象外のため、自費になります。
・月経周期の調整やニキビ・PMSの改善を目的に使用する人もいます。
・医師の処方が必要です。
自費避妊用ピル一覧(相性・製品・成分・特徴付き)
※表は左右スクロール可能です。
| 分類 | 製品名 | 配合ホルモン | 相性 | 特徴 | 備考 |
| OC |
![]() マーベロン21 / 28
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エチニルエストラジオール(EE) + デソゲストレル(DSG) | 一相性 | 毎日同じ成分量で安定した避妊効果 | 日本で長年使用、PMS改善効果も期待 |
| OC |
![]() トリキュラー21 / 28
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EE + レボノルゲストレル(LNG) | 三相性 | ホルモン量が変化し、自然な周期に近い | 飲み間違いに注意が必要 |
| OC |
![]() ファボワール21 / 28
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EE + LNG | 三相性 | トリキュラーのジェネリック製品 | 効能・効果は同等 |
| OC |
![]() アンジュ21 / 28
|
EE + LNG | 三相性 | ファボワールの別ブランド製品 | 効能・効果は同等 |
| OC |
![]() シンフェーズ28
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EE + ノルエチステロン(NET) | 三相性 | 古くからある三相性OC | 出血パターンが一定でないことあり |
| OC |
![]() ラベルフィーユ21 / 28
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EE + LNG | 三相性 | トリキュラーのジェネリック | ファボワールと同様 |
| OC(ミニピル) |
![]() スリンダ錠28
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デソゲストレル(DSG)単剤 | 一相性(プロゲスチン単剤) | エストロゲンを含まず血栓リスクが低い | 授乳中・喫煙者・血栓リスク高い方にも使用可能。 ただし毎日同時刻服用が必要 |
・EE:エチニルエストラジオール(合成エストロゲン)
・NET:ノルエチステロン
・DRSP:ドロスピレノン
・DSG:デソゲストレル
・LNG:レボノルゲストレル
・E4:エステトロール(天然型エストロゲン)
ピルの主な効果(メリット)
| カテゴリ | 効果 | 説明 |
| 避妊効果 | 排卵抑制 | 卵巣での排卵を抑えることで、妊娠を防ぎます。99%以上の避妊効果(理想的使用でパール指数0.3以下) |
| 月経関連の改善 | 月経痛の軽減 | 子宮内膜が厚くならないため、月経痛が和らぎます。 |
| 出血量の減少 | 子宮内膜の増殖が抑えられることで、経血量が減ります。 | |
| 月経周期の安定化 | ホルモンバランスが整い、周期が一定になります。 | |
| PMS・PMDDの緩和 | 情緒不安定・身体症状の軽減 | 特にドロスピレノン含有ピル(ヤーズ等)が有効。 |
| にきび・多毛症の改善 | アンドロゲンの抑制 | 黄体ホルモンの種類によっては皮脂分泌抑制があり、美容面の改善にも効果的。 |
| 子宮・卵巣系疾患の予防 | 子宮内膜症、卵巣嚢腫の予防・治療 | 排卵・内膜の再生を抑えることでリスクが低下します。 |
| 子宮体がん・卵巣がんのリスク低下 | 長期的使用で疫学的にリスクが減少すると報告されています。 |
ピルの主な副作用・リスク
| 分類 | 副作用 | 説明 |
| 初期に出やすいもの | 悪心・嘔吐 | 服用開始初期に一過性に起こることが多く、通常は数日〜1週間で改善します。 |
| 頭痛・めまい | ホルモン変動によることがあります。 | |
| 乳房の張り | エストロゲン作用によるもので一過性です。 | |
| 不正出血 | 服用初期に多く、服用を続けることで改善することがほとんどです。 | |
| 中〜長期的な注意点 | 血栓症 | 特にエストロゲン含有製剤では、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクがわずかに上昇します。 ※喫煙者、肥満、40歳以上、高血圧は注意。☆ |
| 高カリウム血症 | ドロスピレノン含有製剤(ヤーズ、アリッサ等)で起こることがあるため、利尿薬等との併用は要注意。 | |
| 肝機能障害・黄疸 | 稀ですが、肝代謝への影響が出ることがあります。 | |
| 気分変調・抑うつ傾向 | 個人差がありますが、精神面の影響が報告されています。 |
※経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)の重大な副作用として、静脈血栓塞栓症(VTE)が挙げられます。ピル非使用者と比較して、VTEの発症リスクは約3~3.5倍に上昇するとされています。発症頻度は特に内服開始後3か月以内に高く、年齢の上昇、喫煙、肥満は独立したリスク因子とされています。また、高血圧や喫煙を有する女性では、心筋梗塞などのリスクがさらに高まることから、これらの症例ではピルの使用が禁忌となる場合があります。
副作用を避ける工夫
・服用時間を一定に保つ(例:毎晩寝る前に服用)
・食後に飲む(悪心予防)
・初回服用前に血栓リスク・既往歴の確認を徹底
・新薬(例:アリッサ、スリンダ)は副作用軽減に配慮された設計
→ エステトロール(E4)やプロゲスチン単剤など、血栓リスクの低減が期待されています。
ピルは、単に「避妊のための薬」ではありません。
毎月のつらい生理痛、ホルモンバランスによる気分の波、将来のための体づくり、そしてライフスタイルの自由――
そうしたひとつひとつの悩みや希望に寄り添える、「あなたの体と心を守る選択肢」のひとつです。
近年では、体にやさしい成分のピルや、授乳中にも使用を検討できるピル、血栓リスクを抑えた新しいタイプのピルなど、個人の体質やライフステージに応じて選べる時代になってきました。
もちろん、どんな薬にもメリットとリスクはあります。
だからこそ、自分の体のことをきちんと知り、専門医と相談しながら、納得して選ぶことが大切です。
私たち婦人科医は、あなたの今だけでなく、これからの人生も見据えて、最適な選択を一緒に考えていきたいと思っています。
ひとりで悩まず、気軽にご相談くださいね。
あなたの体にぴったりのピルが、きっと見つかります。













